2017/12/05
金山城/新潟県糸魚川市
金山城は、糸魚川市東部を流れる早川の西岸に築かれた山城でした。訪問日は2015年8月3日です。

道は地図で示した通りなのですが・・・
現地に行くと「え、ここ通れるの?」という感じだったりします。
まずは入口から。
国道8号バイパスの下をくぐり、矢印の道へ進みます。
下の地図では、グレーの線(舗装道をイメージしてますw)の起点がココです。

ただし、舗装道とはいえ、部分的にこんな所もあります。
バイク乗ったままヤブ搔きしたのは、ココと静岡の釜原城くらいです


まぁでも、草深いのはほんの数十メートルで、ある程度の所まで舗装道で登れます。
その終点がココです。
地図ではその先まで描かれていますが、それらしい道は見当たりませんでした。
行き止まりに見えますが、ここから道は左へ曲がります。

しかし、ここからはオンロードバイクが苦手な砂利道。
怖いもの知らずだった若かりし頃ならそのままバイクで進みましたが、私も大人になりました。
たぶんw
なので、ここからは徒歩で登りました。
四ツ脚の箱物ならば、特に凸凹道でもないのでそのまま進めます。

この砂利道の終点が城跡の入口です。
バイパス脇からここまで、他にどこかへ行く道はありません。
なので、まさにこの城跡を訪ねるためだけに通された道のようです。
そこまでするほどの城跡なのか?なんて、紹介する私が言っちゃイケマセンが

真夏なのにここへ来たのは、まさに城跡の入口までバイクで登って来れるからでした。
あとは、訪ねた城跡を地図に落とした時、空白地帯を作りたくなかったというのもありますw

ここからはいよいよ城内へ突入です。
入口にあるこれ、いい感じで文字が消えかけていますが「金山城門」と書かれています。
文字が読めないと気が済まない、なんて方へのサービスですw

見上げたらこんな感じ。
段々になっている様子が何となくわかります。
これから山中に入りますが、杉林なので下草は低いです。

ちょっと段差を上がる所はこんな感じです。
うっすらとですが、虎口のようです。

本丸の入口も似たような段差になっています。

上がった所から振り返った所です。
手前が虎口、その奥が一段低くなっているのがわかります。

本丸の様子です。
標柱が1本と石碑が1つ、あとは草が刈られた山中の平場といった感じです。
奥の石碑には「神奴奈山」と彫られています。
これは「かんなやま」と読みます。
・・・詳しくは後ほどw
◆歴史◆
不動山城の支城であった事以外は不明です。
江戸時代に書かれた『越後地名考』にそう書かれています。
そこに「神奈山城ともいう」(読みはかんなやま)とも書かれています。
ということで、その本城だった不動山城の事を調べてみました。
*** 不動山城 ***
不動山城は金山城の東南東約3.4kmの所にあった山城で、山本寺上杉家の本拠でした。
山本寺上杉家は越後守護の上杉家の庶流で、1418年に生まれた上杉朝定を祖とします。
その後の事績がサッパリわかりませんが、守護の一門として越後では重く扱われたそうです。
その中で一番大きな出来事は、やはり御館の乱です。
1578年に上杉謙信が没すると、養子の上杉景勝と上杉景虎が家督を巡って争いました。
山本寺上杉家の当主・山本寺定長は、傅役を務めた上杉景虎を支持しました。
これに対し、その子・山本寺景長は、敵対する上杉景勝に味方しました。
結果は書くまでもありませんが、山本寺定長は乱後に失踪しています。
廃城時期もハッキリしませんが・・・
1582年、織田軍が越中に侵攻しました。
この時、山本寺景長は越後から越中に入ってすぐの所にある魚津城を守っていました。
魚津城からは上杉景勝に援軍の要請をしましたが・・・
上野国からは滝川一益、信濃国からは森長可が越後へ侵攻する気配を見せていました。
しかも、新発田では新発田重家が謀反を起こしており、上杉景勝は身動きが取れませんでした。
上杉景勝は魚津城の守将らに降伏・撤退を命じましたが・・・
山本寺景長らは撤退命令には従わず、城を枕に自害して果てました。
これが6月3日の出来事でした。
しかし、その前日の6月2日に本能寺の変で織田信長が自刃。
この事が魚津城に入った織田軍に伝えられると、アッサリ撤退しました。
魚津城は上杉軍が奪還しましたが、翌年には織田軍の佐々成政に再び攻め落とされました。
1583年、上杉景勝は糸魚川城を築きました。
糸魚川城はその所在が今もわかっていませんが、清崎城の前身だった可能性があります。
その城主は山本寺景長の弟や子ではなく、荻田長繁でした。
そのため、不動山城は当主不在となったこの時に廃城になったものと思われます。
・・・サッパリ歴史が不明だからといって、行ってもいない本城にのめり込んでしまいましたw
所在地:新潟県糸魚川市田伏
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