2017/03/16
市来鶴丸城/鹿児島県日置市
市来鶴丸城は主郭が鶴丸城で、全体の総称が市来城なのだそうです。訪問日は2015年12月30日です。

拡大図
いきなりですが、現地の説明板に載っている図をパクリます。
ここは鹿児島らしくない、普通の山城です。
鹿児島でこういう城跡に行くと、鹿児島に居ることを忘れそうです。

登城口の鶴丸小学校は、江戸時代に地頭仮屋のあった所です。
石垣がそのまま残っており、雰囲気はバッチリです^^

門の石垣が鋭さを感じさせます。
この石垣の上に塀や門があると、守りが堅そうに見えますよね!

小学校の左脇を上がって行くと、赤い鳥居の春日神社があります。
山城の入口にある平地なので、ここも曲輪だったのでしょうか。

城跡への道はこんな感じです。
両脇を固められると、簡単には侵入できなさそうな感じがします。
まだ登らないうちから妄想モード全開です


さぁ、いよいよ登るゾ!という所に、1体の外国人の銅像があります。
誰だ?と思って近づくと、フランシスコ・ザビエルでした。
日本史に登場する、数少ない外国人ですw

さて、今度こそ登ります。
案内には230mと書かれていますが、近いと思いますか?
山の200mは、距離の割に息が切れます


それでも、山城は期待に応えるかのようにこんな風景を見せてくれます。

ゲンキンな私は、こういった風景を見るたびに体力が回復していきます


そして、あっという間に主郭の鶴丸城に到着です。
登城口からの所要時間は12分です。
・・・意外に低かったです


主郭はかなり広い削平地で、縁には所々こんな感じで土塁も残っています

◆歴史◆
市来郡司の市来氏により築かれました。
築城年代は不明ですが、市来氏により築かれたとされます。
市来氏は宝亀年中(770~781年の間)に薩摩に下向し、市来郡司となりました。
約4km北西の鍋ヶ城を代々の居城としていました。
6代目の市来政家は惟宗康友の孫で、市来氏の養子となり家督を継ぎました。
島津氏とは遠縁に当たるのですが、島津久時と惟宗家の系図について相論しています。
最終的な結論は出ないままだったそうですが、結果的に島津氏の言い分が通っています。
現代では、チョット疑義が出ているそうですが・・・w
1463年、宗家の島津立久に攻め落とされて市来氏は滅ぼされました。
南朝方についた市来時家は、北朝方の島津立久と戦いました。
そのため島津軍に攻められて降伏し、市来鶴丸城は落城しました。
市来は島津氏の領地となりました。
1535年頃、薩州家の島津実久の城になりました。
島津宗家の当主・島津勝久がやりたい放題気ままな当主だったため、両者が対立しました。
この中で1526年、島津勝久は伊作家の島津貴久を養子に迎え、家督を譲りました。
これが宗家・薩州家・伊作家の三つ巴の争いの発端となります。
・・・面白そうなので、ここら辺でセーブします

一族総出の諫言を聞き入れなかった島津勝久は、ついに直臣からも見放されるようになります。
そうして1535年、島津実久が島津勝久を豊後へ追放しました。
島津勝久の領地は、島津実久がそのまま奪ったものと思われます。
1539年、伊作家の島津忠良の城になりました。
島津実久は伊作家の島津忠良(貴久の父)も攻め滅ぼそうとしました。
島津忠良は領地の割譲と服従を申し出たものの、島津実久は受け入れませんでした。
戦いが始まってみると、島津実久の強引な統治に耐えかねて寝返る家臣が続出。
市来城を守っていた多田頼益の弟・日高義秋も、島津忠良に寝返りました。
すると、多田頼益の寝返りを恐れた島津実久は、多田頼益を殺してしまいました。
市来鶴丸城には、一族の島津忠房を入れました。
島津貴久が市来を攻めると、島津忠房ははじめ平城に籠り、次いで市来城に籠りました。
しかし、最終的に島津忠房は降伏し、市来は島津忠良・貴久父子の城となりました。
1550年、フランシスコ・ザビエルが来ました。
新納康久が城主の時に、フランシスコ・ザビエルが城を訪れ布教しました。
この時に新納康久夫人や子をはじめ、城内でも洗礼を受けた者が多数居たそうです。
1561年にはフランシスコ・アルメイダが城を訪ねて、この時にも70名程洗礼を受けたそうです。
この人は元々は商人だったものが、日本でキリスト教に染まり、さらに病院を建てた人物です。
医師免許も持っていたそうで、かなり多才な人だったんですね!
江戸時代には外城が置かれました。
伊集院忠朗、新納康久、新納旅庵などが城主を務めました。
・・・ググってもあまり城主が出て来ませんが

新納康久の子・新納旅庵も市来地頭と書かれていたので、多分そうなんでしょう。
江戸時代には外城の1つとなり、麓の小学校の所に地頭仮屋が置かれました。
所在地:鹿児島県日置市東市来町長里
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