2016/09/07
相良城/静岡県牧之原市
相良城跡は市役所の庁舎と小中学校になっています。訪問日は2014年9月13日です。

現地には立派なお城型の建物があります。体育館のように見えますが、玄関には「牧之原市史料館」の看板。入りませんでしたけど


上の写真にも写っていましたが、その建物の前に城址碑があります。史料館の展示物は相良城メインなのでしょうか?見ていないので何とも・・・


さらに、こちらも一番上の写真に写っていますが、回れ右するとこれが見えます。凝ってますね


・・・ということで、現地には遺構はありません。遠く離れた藤枝市の大慶寺に、江戸時代にあった相良城の御殿が移築されています。(地図)かなり貴重ですね!玄関の屋根が、川越城の本丸御殿とよく似ています

◆歴史◆
平安時代末期に相良氏が館を構えました。
藤原南家流の工藤維兼の孫・周頼が、相良に館を構えたのが始まりとされます。周頼は相良姓を名乗るようになり、相良氏の祖となりました。すぐ西で栄えた横地氏、この相良氏の娘が生んだ源義家の庶長子が祖となっています。源氏と平家が争った頃の相良頼景は、積極的に源頼朝に協力しなかったそうです。そのため肥後国に左遷されましたが、この子孫が明治時代まで続いています。
戦国時代に武田勝頼が古城を築きました。
1573年、武田勝頼が遠江侵攻の拠点として、諏訪原城を築城。
1574年には、父・信玄でさえ落とせなかった高天神城を陥落させました。武田勝頼による遠江侵攻は順調に見えましたが・・・
1575年、長篠の戦で武田軍は織田・徳川連合軍に壊滅的な敗北を喫しました。
徳川家康はこの機に乗じて武田方の城を攻め、諏訪原城を攻略しました。そのため、高天神城が孤立して兵糧を運び込むことが困難になりました。
相良古城が築かれたのはこの頃とされています。高天神城への陸路が絶たれ、海から相良を通るルートを確保するためと思われます。
徳川家康が御殿を築きました。
1582年に武田勝頼が滅びた後、遠江は徳川家康の領地となりました。徳川家康が鷹狩などの際に休憩する御殿を築いたのは、その4年後のことです。ということは、相良は徳川家康の直轄地だったんですね。
江戸時代に相良藩の藩庁が置かれました。
1710年、本多忠晴が1万5千石で立藩しました。それまでは天領だったんですね。田忠晴は、本多忠勝の曾孫です。それにしては石高が少な過ぎるような気が・・・ググってみると本多忠勝→長男→その三男→その四男ということでした。
1746年、本多忠如が陸奥国泉藩へ移り、板倉勝清が相良藩主となりました。陸奥国泉藩から来たので、本多忠如とは入れ替わりだったんですね。相良藩主となった翌年、江戸城で板倉勝清と間違われて肥後藩主・細川宗孝が殺されています。下手人は分家の板倉勝該で、一族内のゴタゴタがあったそうで・・・w板倉家の九曜巴と細川家の九曜紋が遠目には似ていたことが原因の悲劇でした。この後、細川家は家紋の九曜紋を離れ九曜(細川九曜)に改めています。・・・九曜紋はググるとすぐ出てきますので、気になる方は調べてみて下さい。板倉勝清もかなり出世した人で29歳で若年寄になり、最終的には老中まで昇進しています。
1749年、板倉勝清が上野国安中へ移り、本多忠央が相良藩主となりました。本多忠央は本多忠勝から数えて5代目ですが、父は長門藩主・毛利綱元の次男で養子です。ザックリ書くと本多忠勝→忠政→三男・忠義→次男・忠利→養子・忠次→忠央な感じです。大番頭から昇進し、相良藩に移ると寺社奉行となりました。しかし、1758年、縁戚の金森頼錦が悪政で改易されると、連座して改易されました。
田沼意次が相良藩主となりました。
本多忠央の次に相良藩主となったのが、田沼意次です。父親は、紀州藩の足軽から徳川吉宗に従って江戸に上がった600石の旗本でした。田沼意次は9代将軍・徳川家重の小姓として抜擢され、驚異的なスピードで出世しました。初めは父から継いだ600石でしたが、2000石→5000石→1万5000石と加増されています。この頃に田沼意次が相良藩主となりました。次の将軍・徳川家治はさらに重く用い、1772年には5万7千石の老中にまで登り詰めました。相良城には天守の建築が許され、三重の天守が築かれたそうですが・・・
1786年、将軍・徳川家治が没すると失脚し、蟄居・減封処分。
1787年、家督を継いだ田沼意明が陸奥国下村1万石へ移封。
その翌年、相良城は廃城となり徹底的に破壊されました。相良はその後天領となりましたが・・・
1823年、田沼意正が1万石で相良藩に復帰。以後、3代続いて明治時代となりました。
1868年、徳川家達(徳川慶喜の次の徳川家当主)が駿府藩主となりました。相良一帯は駿府藩領となったため、田沼意尊は上総小久保に移されました。
所在地:静岡県牧之原市相良
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