2016/05/03
田峯城/愛知県設楽町
田峯(だみね)城はちょっと複雑な道順で登った所にあります。訪問日は2014年8月6日です。

国道からちょっと脇道に入り、ウネウネの道を登った所に城があります。街道からは切り立った台地上にあるような感じです。周囲には町もありますが、町自体が要害のようです。

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駐車場の脇にあった説明板の図です。今居るのは図の中のどこ?ってなりますが、右下です。図では郭が沢山描かれていますが、本丸への道が単調ですね・・・

ただ、入口にはコレがあります。堀切です



駐車場から城内を見た所です。低いながらも城塁の段差があり、とっても雰囲気があります。手前のお茶畑が無ければ、手前の堀切もしっかり見えるんですけどね・・・

右下の表曲輪からひとつ上の井戸曲輪に上がる所です。だいぶ崩されているように見えますが、虎口のようですね!城の雰囲気はちゃんと感じられます


そして、上の方に復元された中世の館が見えてきました!木造建築で、周りに巡らされた木の杭も雰囲気を盛り上げてくれています。

その館の入口に着きました。
入れませんね・・・
まだ朝7時前でしたからwww

ここが開くのは朝の9時。さすがに2時間も待てないので、次へ行きました。
◆歴史◆
1470年、菅沼定信により築かれました。
美濃守護・土岐氏の一族が将軍・足利義教の命で菅沼郷に入ったのが菅沼氏の始まりです。年代的に菅沼定信はその1つ次の世代でしょうか。以後、田峯城は田峯菅沼氏の本拠地となりました。
1557年、城主・菅沼定継が討死しました。
菅沼定継は前年、弟・菅沼定直の支配する布里を攻めていました。それは、菅沼定継が織田信長に寝返ったものの、一族は皆従わなかったからです。すると、今度は菅沼定直が今川義元の援軍を得て反撃に転じました。この戦で菅沼定継が討死し、田峯菅沼氏は今川派で統一されました。菅沼定継の子・定忠は3歳と幼かったため殺されず、菅沼定直が田峯城に入りました。この時、定忠を抱いて逃げた乳母は、敵に見つかって殺されてしまいました。定忠は後に、この乳母が殺された場所に墓を建てて弔いました。
1561年、菅沼定忠が城主となりました。
桶狭間の戦で今川義元が討死すると、田峯菅沼氏は松平元康に従いました。菅沼定忠は領地を安堵され、田峯城に復帰しました。
1571年、菅沼定忠が武田信玄に寝返りました。
武田信玄が徳川領への侵攻を本格化させ、奥三河に2万5千の大軍で攻めて来ました。この時、田峯城の菅沼定忠が武田軍に寝返り、支城だった武節城も従いました。武田軍への寝返りを拒んだ菅沼定利(定直の子で定忠の従兄弟)は、野田城へ移りました。この時の逸話として、同族・菅沼定盈の野田城を攻めた時の事があります。武田軍として野田城を攻めた際、家老の城所道寿に道に迷ったふりをしろと命じたそうです。敵味方に分かれたとはいえ、同族が少しでも命拾いするよう配慮したという事らしいです。
1575年、菅沼定直が武田勝頼の入城を拒否しました。
長篠の戦で大敗した武田勝頼が立ち寄ろうとしました。しかし、留守を守っていた城主・菅沼定忠の叔父・定直が拒否。菅沼定直は、徳川家康方に復帰することで城内をまとめていました。やむなく菅沼定忠は、武田勝頼一行を支城の武節城に案内しました。武田勝頼が甲斐へ戻った後、菅沼定忠は武節城に立て篭もって徳川軍に抵抗しました。しかし、酒井忠次率いる徳川軍に敗れたため、信濃伊那郡へ逃れました。
1576年、菅沼定忠が夜襲で陥落させました。
菅沼定忠はこの事をかなり恨んだようです。翌年、菅沼定忠は夜陰に紛れてかつての居城である田峯城を襲いました。そして、かつて自分を城から追放した叔父の菅沼定直や今泉道善らの一族を皆殺しにしました。特に菅沼定直は父の仇でもあり、鋸挽きという残酷な方法で殺したと伝わります。・・・ググってみると、かなりえげつない画像が出て来ます。
1582年、菅沼定利が城主となりました。
菅沼定忠が武田信玄に寝返った時に、反発して出奔した菅沼定利が城主となりました。これは、武田家が滅亡した際、伊那郡で菅沼定忠も世を去ったためでした。田峯菅沼家の家督も継承し、田峯菅沼家当主の証である「小大膳」を名乗るようになりました。
1584年、菅沼定利が信濃伊那郡へ移されました。
徳川家康は武田家滅亡後の混乱に乗じて信濃の大部分を手に入れていました。しかし、伊那郡の旧領へ復帰した旧領主達の家が相次いで潰れました。それは戦での失態であったり、家督相続を巡る内紛だったり・・・そんな状態だったので、徳川家康は菅沼定利に伊那郡の統括を命じたのでした。廃城がいつだったのかはわかりませんが・・・推測ですが、1590年の関東移封までは一族が暮らしていた可能性があると思います。
所在地:愛知県北設楽郡設楽町田峯
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