2022/04/07
真里谷要害城/千葉県木更津市
真里谷要害城は、歴史不明な巨大城郭です。訪問日は2022年1月22日と2月5日です。

良く知られている登城口は2箇所あり、その1つが1の秋葉神社です。
秋葉神社までは、ちゃんとした道があります。
そこから先は、2015年に訪ねた時にはまだ道がありましたが・・・
最近訪ねた時は、完全に倒木で埋まっていました。
まぁ、2015年時点で神社裏の堀から先は酷いもんでしたけど

しかし、それでも尚、訪ねる者を圧倒する迫力があります。
どの堀も深さ・幅ともに大名クラスの城です。
こちら側の堀は、上り下りする通路はありません。
3本目の堀を登った所が主郭とされます。
圧巻なのはその先で、堀底から北の尾根へ進むと曲輪が連なります。
そして、北端には馬蹄形の巨大横堀が3つ連なっています。
その1本1本がまた壮大で・・・歩きにくいですw

1 神社への道
城跡には秋葉神社裏から行けます。
神社へは妙泉寺前の東側から山に入る道があります。

2 秋葉神社
折れた山道を登るとあります。
散策の無事を祈り二礼二拍一礼でご挨拶。

3 神社の裏
2015年に訪ねた時はまだ道がありましたが・・・
2019年の台風のためでしょうか。
神社の背後は、縦横無尽に倒木で埋まっています。
まぁ、いつもの事ですが

それならどこからでも!と、この中へ飛び込みます。
最初の藪は10メートル程です。

4 最初の堀
間もなく大きな堀が見えます。
深さ3メートル、幅7、8メートル程です。
長さはそれ程なく、右端は下の方へ折れます。

5 堀の切岸
堀は神社側よりも奥の方が高いです。
そして、堀から上がる道はありません。
登りやすい所を登ります。

6 堀を登った所
堀を登ると、そこは平らに馴らされています。
一応ここも城の曲輪だったようです。
とりあえず真っすぐ進みます。

7 2本目の堀
少しずつ段差のある曲輪を進むと2本目の堀があります。
この堀は、最初の堀の倍以上の長さがあります。
幅も深さもある見事な堀です。
ここも登る道は無いので、登りやすい所を登ります。

8 2本目の堀を登った所
ここも手付かずの雑木林です。
というか、手入れされている所はありません。
倒木が多く、歩くのがとても大変です。
見通しも悪いですが、とにかく真っすぐ進みます。

9 3本目の堀
三たび堀が現れます。
深さも幅も、だんだん規模が大きくなります。
ここも下りる所が無いので、下りやすい所を下ります。

10 3本目の堀
深さ5メートル、幅は10メートル程。
こんな大きな堀がかなり長く続きます。
この堀も上がる所はありません。
上がりやすい所を上がります。

11 大きな曲輪
3本目の堀の先にある曲輪はかなり広いです。
西は堀に面し、それ以外は斜面に接しています。
ここが主郭とされます。
南端は窪んだ所があり、虎口のように見えます。
この下の急坂を下った所が八幡神社だそうです。

12 堀の北端から進みます
城域の北部分へは、堀の北端から進みます。
細長い腰曲輪状になっています。
西側の段差に沿って北へ進みます。

13 北側にある段差
倒木の楽園を進むと、人の背丈程の段差があります。
この段差を登り、東側へ進みます。

14 倒木に覆われた曲輪
細く続く段曲輪を登ると、右側に一段高い段があります。
ここもかなり広いですが、どういう位置づけなのかが?です。
こんなに沢山倒れていても、まだまだ雑木林です。

15 北端にある土塁
ここには他の曲輪には無い土塁が北端にあります。
曲輪は途中で途切れますが、土塁は堀の端まで続きます。
東端付近には、堀へ下りられる虎口があります。

16 北側の1本目の堀
真里谷要害城最大の特徴は、北側に連なる横堀です。
横堀は3本あり、深さ・幅・長さともに圧巻です。
東端は斜面を下る所まで続いています。

17 北側の2本目の堀
1本目の堀のすぐ外側に2本目の堀があります。
こちらも1本目同様、とても規模の大きなものです。

18 北側3本目の堀
3本目も大きな堀ですが、他の2本と少し異なります。
それは、部分的に外側の土塁がありません。
外側はそのまま斜面となっています。
それと、倒れている竹の量がハンパ無いです。
割とすぐに「無理」の2文字が脳裏に浮かびます。
それでも「行ける所まで行く!」と頑張りました。

19 外側に出た跡
3本目の堀を進むと、真ん中を横切る土橋があります。
土橋の高さはヒザ程も無いですが、割と目立ちます。
その外側は土塁が少し凹んでいます。
虎口のようにも見えますが、そうでないようにも見えます。
地図では北に細尾根が続いているので行ってみました。

20 北側の古道
北に続く細尾根上に、掘り込まれた古道があります。
城内で唯一、道の跡らしい所です。
ただ、通る人が絶えて久しいのか、藪が濃いです。
もうこれ以上進めない所まで来ましたが・・・
後で地図を見ると、横方向の別の道の目前まで来ていました。
◆歴史◆
不明



これだけの規模でありながら、全くわかっていません。
西の谷戸にある妙泉寺は、戦国時代に真里谷信隆が中興しています。
そこにある梵鐘は、1459年に佐是郡の神社で鋳造されたものです。
近くのお寺や神社は、南側に集中しています。
構造的には、北に備えたように見えます。
ただ、城内で唯一見た古道は、北から横堀を回り込んでいます。
西側の堀には、切岸を上がる道が見当たりません。
大軍を籠めるとすれば、北から来て南に備えるようにも見えます。
・・・つまり、どちらの方向に備えたお城なのかが?です

どちらかの勢力が築き、奪った方が反対側にも堀を掘った?
考え始めると、どうとでも考えられてしまいます。
1月は写真を撮りながら散策してルートを把握。
2月に再訪問し、動画を撮りました。
自宅に居ながら藪城気分を満喫できます

30分程あるので、お時間のある時に是非ご覧下さい。
所在地:千葉県木更津市真里谷 GPSログダウンロードページ
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コメント
無題
ワタシは昨年の正月に行きましたが、既に似たような荒れっぷりで、2時間くらいかけて回りました。
それだけの価値がある、スゴいおシロだと思います。
2022/04/10 23:29 by む~ URL 編集
Re:無題
凄い藪に包まれているからこその、完存ですね。
綺麗に整備していれば、100名城ものです^^
2022/04/11 05:09 by なぽ URL 編集