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江見根古屋城/千葉県鴨川市

江見根古屋城は、なぜか斜面直登で訪ねる城跡です。

訪問日は2022年1月15日です。



【位置・再】江見根古屋城



登城路として紹介されるのは、江見駅裏の急斜面直登です。

登った所にあるのが、元々は八幡神社のあった曲輪です。

城の主要部は、大堀切の北に進んだ所です。

ここで城域は直角に西へ折れ、西尾根の付け根にも曲輪があります。

この曲輪の主郭側は岩盤を削っており、石垣も見られます。

西尾根には道があり、途中に削平地と小さな堀切があります。

尾根道はずっと続いており、こっちが登城路ではないかと思われます。

神社跡からは東にも細尾根が続き、小さな堀切の先に曲輪があります。

麓から見た感じでは、お寺の裏から尾根伝いに行けそうに見えました。

普通ならわざわざ斜面を直登なんかしないように思われますが・・・

伏馬田城菅原城など、他の城跡でも数箇所そんな所がありました。

ここも、もっと行きやすい道がありそうに思われます。



【1】江見根古屋城

1 江見駅東側の踏切を渡った所



年を越し、草木も眠る真冬の朝。

夜明けとともにバイクで現れたのは、1匹の城キチでありました。

なぜか無性に藪掻きがしたくなり、真っ先に思いついたのがココです。

クルマは、江見駅東側の踏切を渡った所にある空き地に停められます。



【2】江見根古屋城

2 浄照寺の墓地入口



空き地から左へ進み、直角に右へ折れた先に墓地があります。

この手前で再び左へ曲がり、あぜ道を進みます。



【3】江見根古屋城

3 山へ入る所



クルマが通れそうな広さのあぜ道は突き当り、ここで右へ。

山の方へと続くあぜ道を進みます。



【4】江見根古屋城

4 山の手前にある藪



あぜ道の先は藪ですが、手前側は掻き分けたっぽい感じです。

ここを通る人が定期的に現れるのでしょうか。

ただ、先へ進むと完全に笹ウォールクローバーにぶち当たります。

「もはやこれまでか?」と心細くなりますが、そこは城キチ。

笹など無き物がごとく、掻き分けて進みます。

すると、ほんの10メートル程で下草のないエリアに到達します。

そこからは左へ進みます。

根拠は何もありませんでしたが、体が勝手にそっちへ進みました。



【5】江見根古屋城

5 斜面にある道



2、30メートル進むと、斜面を登る道の跡らしきものが見えます。

あとはこれを辿って斜面を登るだけです。

サラっと書きましたが、これを見つけるまではかなり不安でした。



【6】江見根古屋城

①-6 八幡神社跡



道の跡とは言っても途切れ途切れですが、上まで登ることが出来ます。

そして辿り着くのがココです。

斜面側には虎口が無いので、往時は直登などしなかったのでしょうあせる

2015年に訪ねた時は、右端に瓦が積まれていました。

それも今では無くなり、少しづつ片づけられているようです。



【7】江見根古屋城

①-7 八幡神社跡裏の高台



神社跡の奥は、櫓台のように高くなっています。

木々を刈れば、海側の眺めが抜群な場所ではあります。



【8】江見根古屋城

②-8 大堀切



そんな櫓台的な所を過ぎると、地面が大きくえぐられています。

神社跡側からは深さ5メートル以上はある、大きな堀切様ですラブラブ

江見根古屋城で一番の見所です。



【9】江見根古屋城

9 大堀切の北側



大堀切の北側は、細い尾根が削平されています。

自然地形なら、上側はこんもり丸みを帯びています。

ここは曲輪にするため、人の手が加わっているようです。



【10】江見根古屋城

10 小さな堀切



細長い曲輪の途中に、浅い堀切が1本あります。

移動を妨げる程の深さではないため、区画を分けるものかもしれません。



【11】江見根古屋城

11 主郭裏の細尾根



尾根は段々細くなり、やがて木々が密生したこんもりがあります。

ああ、歩きづらそう・・・



【12】江見根古屋城

③-12 主郭



その裏に人の背丈ほどの段差があり、馬蹄形の曲輪があります。

ここが主郭のようです。

形を例えると野球帽で、木々こんもりが頭、主郭がツバの部分です。



【13】江見根古屋城

③-13 主郭西下の曲輪



周りは急斜面に囲まれており、城域はここで折れます。

西側だけ歩けそうな尾根が続き、手前がザクっとしています。

どう見ても人工的に削られており、底は平らになっています。

これ、曲輪ですね!



【14】江見根古屋城

③-14 主郭西下の石垣



主郭側は垂直に削られた岩盤で、尾根側には石垣が見られます。

房総半島の豊織系以外の城跡では、石垣は超激レアですラブラブ



【15】江見根古屋城

④-15 西側尾根にある曲輪



城へ通じる1本道的な尾根にはきっと堀切様が居るに違いない!

そう信じて進むと、細尾根の先に広い場所がありました。

綺麗に平らに馴らされており、お城の曲輪のようです。

ただし、土塁や虎口の類は見当たりません。

ただ平らで広いだけですあせる



【16】江見根古屋城

④-16 西側尾根にある堀切



尾根は再び細い1本道になり、道を塞ぐように木が倒れています。

よく見ると木の根元は、えぐれている以上に窪んでいました。

恐らく堀切脇の木が、堀切の中に向かって倒れたのでしょう。

ここから先は、ただの綺麗な山道でした。

途中で「もういいや」と戻りましたが、行ける所まで行けばよかったあせる



【17】江見根古屋城

17 八幡神社跡から東側尾根へ



今度は城跡から東へ伸びる、もう1本の細尾根を辿って来ました。

神社跡の南東側から行けますが、入口はよく見ないとわかりませんクローバー



【18】江見根古屋城

⑤-18 東側尾根



こちらの尾根にも堀切があるらしいのですが・・・

堀切なのかどうなのか?な窪みがいくつかあります。

一応みんな撮りましたが、堀切のようなそうじゃないような。

一番怪しい所は、西側と同じく木が横一文字に倒れている所でした。



【20】江見根古屋城

⑤-20 東側尾根の切岸



細尾根は2箇所、登って下りるピークがありました。

その2つ目のココは、人の手で削られているように見えます。



【19】江見根古屋城

⑤-19 東側尾根先端の曲輪



上の段差の先に、削平がやや甘い広い平坦地があります。

この平坦地は、左に1段低い平坦地が並んでいます。

海側の曲輪が、山側の曲輪を隠す役割を果たしていたようにも見えます。





◆歴史◆



不明あせる

1986年に発見されており、1980年発行の某大聖典には載っていません。

私もよく山には行きますが、そこに城跡があると知っているからです。

城跡があるかどうかもわからない山になど、全く行く気が起きません。

見つける人には、きっとそういうセンサーが装備されているんですね!

しかも、攻略ルートが西尾根を悠々と登るのではなく斜面直登w

ただ1つ手掛かりになりそうなのが、山中の神社でしょうか。

だからと言って、山から山へと飛び回る気にはなれませんが・・・

記録も伝承も残っていないため、一時的に使われた砦と思われます。

曲輪は狭く削平も甘く水の手も無いので、長期滞在には向いていません。

南側の海辺の監視なら、使えなくもなさそうな気がします。

そういう用途なら、城の存在が気付かれてはマズイですし。





所在地:千葉県鴨川市東江見 GPSログダウンロードページ



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Author:なぽ
故郷にはお城があり、小さな頃から何となくお城が好きでした。若い頃から旅が好きなので、旅行ついでに立ち寄るといった感じでした。

しかし、本格的に城をメインに旅を始めるとハマってしまい・・・。今では道無き山まで歩き回るようになりました。もう、殆どビョーキですw

全国津々浦々見てやろう!と意気込んでいましたが、訪ねる基準が年々変化しており、始めた頃に回った地方がかなり手薄になりました。でも、あまりにもマイナー過ぎる城跡まで回るのもどうかと思いつつ、通りすがりに「〇〇城跡→」なんて案内があると、ついつい足が勝手に動いてしまいます。

書き始めるとついアレコレ気になって調べまくり、遅々としてブログが進みません。こうしている間にも訪ねっ放しの城跡がザクザク溜まる一方で・・・。書き方もちょっと考え直さないと、死ぬまでに書ききれないとマジでびびっています。

おっと、またつい長くなりましたが、基本スタンスは「道案内 & 見所案内 & 歴史も!」な欲張りブログを目指しています。ここでお友達を作るつもりはありませんので、ググって出て来てちょっと気になったら読んでやって下さいませ。

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