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門井館/埼玉県加須市

門井館は現在も子孫が暮らしているそうです。
訪問日は2013年10月12日です。

門井館/水堀と長屋門

東北道・加須I.C.近くの県道36号線沿いに、水堀を湛えた館が現在もあります。脇を通った瞬間「あ、ここだ!」とわかります^^でもクルマを停める所がありません。私はバイクなのでテキトーに停めますが^^

県道から入った細い道沿いに、今でも水堀があります。館跡の水堀は蚊の発生源になるとして埋められることが多いそうですが・・・堀は深くないので、たまたま雨で水がたまっただけかもしれません。

その水堀というか湿地の向こう側に、漆喰が塗られた長屋門が見えます。参考に拝見したいくつかのサイトでは、現在も門井氏が暮らしているとのこと。私有地ということなので、道から遠目に見るだけにしておきました。

ここは水堀だけでなく、立派な土塁が北側にあるそうです。訪問当時、そのことをすっかり忘れて見に行きませんでしたが・・・ここまでしっかり残してくれていることに感謝ですネ☆


◆歴史◆

築かれた時期はわかりませんが、古河公方の家臣・石川氏の代官所だったと思われます。石川氏は加須市麦倉から南大桑一帯を、利根川を挟んで領有していました。これなら利根川の流路が変わってもモメないからでしょうか?

古河公方は1550頃には後北条氏に降っていました。そのため、最後まで上杉方であった西隣の羽生城の木戸氏とは戦があったようです。

1561年、長尾景虎(のちの上杉謙信)は小田原城を攻め、鎌倉で上杉政虎と改名しました。その帰路、すぐ近くにある後北条方の花崎城を攻めています。この花崎城攻めの主力を担ったのが、羽生城の木戸氏です。

1567年、上杉輝虎(のちの上杉謙信)は北関東へ進軍しました。その中で麦倉城(石川氏の本拠)が攻め落とされ、石川俊重は自害しました。俊重の遺児達は、俊重の叔父・将膳に連れられて、下野国の縁者のもとへ逃れました。

1574年、北条氏政が関宿城を攻略。この時上杉謙信は援軍に駆けつけましたが、利根川の増水により間に合いませんでした。その頃は謙信が越中に兵を出すと、後北条氏が上杉方の城を攻めていました。関東への援軍に限界を感じた謙信は、羽生城を破却して木戸氏を上野国膳城へ移しました。

石川氏はその年、旧領であった麦倉に戻っています。

1582年、足利義氏の文書に「殊御代官所は南大桑に前々の如く仰せ付けられ候」とあります。これは石川信濃守に宛てたもので、「前々の如く」は木戸氏に奪われる前のことと思われます。一時領地を空けていたことで、他の領主が南大桑の領有権を主張したのかもしれませんね。

1583年、足利義氏が没します。嫡男・梅千代王丸はすでに早世していたため、氏姫(名のない娘)が当主となります。

1590年、豊臣秀吉により後北条氏が滅ぼされます。後北条氏の旧領には、徳川家康が入りました。足利氏娘は後北条氏の庇護下にあったため、所領を没収されています。(のちに小弓公方の子孫と結婚させられ、喜連川氏として存続しています)

・・・ということは、石川氏も領地を没収されているはずですね。地理的に近い騎西藩の領地になったかもしれませんが、わかりませんあせる


所在地:埼玉県加須市大桑町

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故郷にはお城があり、小さな頃から何となくお城が好きでした。若い頃から旅が好きなので、旅行ついでに立ち寄るといった感じでした。

しかし、本格的に城をメインに旅を始めるとハマってしまい・・・。今では道無き山まで歩き回るようになりました。もう、殆どビョーキですw

全国津々浦々見てやろう!と意気込んでいましたが、訪ねる基準が年々変化しており、始めた頃に回った地方がかなり手薄になりました。でも、あまりにもマイナー過ぎる城跡まで回るのもどうかと思いつつ、通りすがりに「〇〇城跡→」なんて案内があると、ついつい足が勝手に動いてしまいます。

書き始めるとついアレコレ気になって調べまくり、遅々としてブログが進みません。こうしている間にも訪ねっ放しの城跡がザクザク溜まる一方で・・・。書き方もちょっと考え直さないと、死ぬまでに書ききれないとマジでびびっています。

おっと、またつい長くなりましたが、基本スタンスは「道案内 & 見所案内 & 歴史も!」な欲張りブログを目指しています。ここでお友達を作るつもりはありませんので、ググって出て来てちょっと気になったら読んでやって下さいませ。

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